自然 と 乗り物

多趣味(?)かもしれない主の日々の気付きや以前の記憶が記事になります。全部雑談。

参考文献

 地図子さんの浦安の記事の次は、神田川の記事なので書きたいことが結構あってすぐに内容に入りたいのですが、そのまえに神田川だけではなく武蔵野台地全般について言える総論を書かなければなりません(書きたいだけ)。

chizuchizuko.hatenablog.com

それに伴って、参考文献をご紹介。

bookclub.kodansha.co.jp

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どちらも貝塚爽平先生の著書ですが、前者の方が古く、用語なども注釈が入っていたりします(原書は1979年)。貝塚先生自身が第四紀学(地質学)の人なので、内容は若干難しいというか理屈っぽいかもしれません。理系向けかな…?
後者はオムニバス形式のような内容ですが、前者を補っている部分もあります。図などはより分かりやすくなっています。講談社のページでは姉妹編(兄弟編でもいいじゃないか)と紹介されています。後者は硫黄島の話もありますが。

ちなみにタモリさんは東京の自然史を東京の地形観察のバイブル?参考書にされているようですね。第四紀の視点なので、比較的最近できた表層の地形を見るには最もいい参考書になるでしょう。

きっとこのブログでも度々出てくる「第四紀」という言葉は、いわゆる地質時代の区分のひとつで、一番大きな時代区分の最新の新生代のうち、より新しい時代を指します(古い方は第三紀と言った)。第四紀をさらに細かく分けると更新世完新世と分けられます(昔は洪積世と中積世といった、最新世と現世ともいう)。絶対年代で表わすと、完新世はおよそ1万年前から現在まで、更新世はおよそ100万年前から完新世前までとなります。いまでも武蔵野の古い台地を指して「洪積台地」と呼ぶのは、この名残で、更新世に形成された地層が(関東ローム層におおわれているが)残っていることが由来です。

日本には数多くの学会がありますが、日本第四紀学会なるものもあって、貝塚先生はその会長を務めたことがあるくらいで、第四紀研究のトップの一人だったはずです。その意味でいうとこの本は東京の微地形を見るのに最適ですが、より大きな地殻変動などを読み解こうとすると第三紀やさらに古い中生代の研究が必要になります。富士山の位置にナゼ?と疑問を唱えるとおそらく第四紀にとどまることはできず、プレートの動きなど大昔からの地球の動きを見ることになるでしょう。実際に東京や関東平野の内側から外に出ると、さらに古い地層がバンバン出てくるので、より複雑な考察がされます(変性帯とか付加体とか)。

 

文字ばかりで冗長になってしまう問題。本の紹介で写真なんかないからしょうがないよね…??