武蔵野台地の地下水
この頃、東京外環自動車道のトンネル工事に関連して地上での陥没事故がニュースになっているので、それに関連した話を書いておく。
筆者がニュースを見たとき、「宙水」を思い出し、それを目にした「東京の自然史」(貝塚爽平,1979)を少し見返したのでそれに関連する話になります。
地下水(帯水層)は、基本的に不透水層(一般に粘土層)の上にたまった水が地下水として存在するものですが、その中で直下の不透水層が盛り上がっていたりすると宙水や地下水堆という形で存在し、場所によっては地下水瀑布線(かっこいい!)ができたりします。
詳しい説明は省略しますが、武蔵野台地上にはところどころにこんな感じの地下水面が存在しているようです。これらの地下水面は浅く、昔の未発達の技術でも簡単に井戸水が手に入るのでこれらの周りに発展した集落もあるようです。
今回の外環道のトンネル工事で、大深度での工事によって本水(本体の地下水)が切羽(トンネル工事の先端部)から抜けたとすれば、その上の帯水層の水分が抜けて地層が収縮するといったこともあり得るでしょう。
大深度の工事だとしてもどこでどのように地上に影響が出るかわかりにくいのが地下水による影響でしょう。いずれにしても理屈がわからないと不安ですね。